どんな素材で作られたアクセサリーを選ぶかは、
その人の生き方そのものを映す。
永く身につけるほどに、自分の一部になっていく——
そんなジュエリーを求める大人たちへ。
知ることで、選ぶものが変わる。
こころの片隅にでも置いていただき、ふとした時に思い出してもらえたら嬉しいです。
ファッションの世界のきらめきの裏には、目をそらしたくなる現実もあります。
でも、知ることはやさしい選択の始まりだと、私は思うのです。
素材を知ること

私は昔、気に入っていた真鍮のネックレスで肌がかぶれたことがありました。
皮膚科で薬をもらっても治るまでに時間がかかり、直ったと思っても別の場所に再発する。
それから私は、アクセサリーを“肌に触れるもの”として見直すようになりました。
真鍮や合金は、汗などの酸で金属が溶け出し、アレルギーを引き起こすことがあります。
反対に、シルバーや18金、プラチナなどの貴金属は肌に優しく、永く身につけられる素材です。
「天然石」や「シルバー」の持つスピリチュアルな安心感に惹かれる人が多いのも、
きっとその“心地よさ”が、身体にも伝わるからだと思います。
金属アレルギーで悩んでいる人ほど、自分の肌と心に優しいジュエリーを選んでほしい。
それが“大人のジュエリー選び”の第一歩です。
早く、安く、きらめく。その裏にある代償

今のファッション業界では、短期間で大量に生産されるアクセサリーが主流になっています。
その背景には、低賃金労働や環境汚染といった、見えにくい犠牲があります。
安価な合金やメッキ片はリサイクルが難しく、廃棄されると土壌や河川を汚す原因にもなります。
それでも「安いから」「すぐに新しいものが手に入るから」と、
消費のサイクルが加速していく。
けれどそのスピードは、地球にも、作り手にも、そして自分の心にもやさしくありません。

永く使うという、優しさの選択
永く使うことは、地球への思いやりでもあります。
丁寧に選び、ケアしながら永く身につけることで、
廃棄物を減らし、作り手の想いも大切にできる。
それは、サステナブルな生き方とも重なります。
「ひとつを大切にする」ことが、今の時代の“やさしさ”なのだと思います。
ジュエリーを通して、自分を慈しむ時間を増やしていけたら。
それは地球にも、自分にも、静かにやさしい選択になるのです。
素材にこだわるということ
ここまで述べた「環境」「人」「永く使う」という三つの視点を大切に。素材を選ぶということは、ただデザインや価格だけで決めるのとは違います。それは、自分自身の暮らし・価値観・未来に寄り添う選択です。

あなたの手の中で、時間とともに変化しながら輝きを増すアクセサリー。そんな存在を目指して、私は素材にこだわります。そして、あなたがその一本を選ぶ時、ただ「可愛いから」ではなく「自分の暮らしに、価値を添えるから」という軸を持ってほしいのです。
小さな選択の積み重ねが、未来の地球と自分をつくるのだと、私は思います。

